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~京都祇園の町家BARから、ささやかながらの 『ことりーふ』 ~
人が北へ向かうとき
こんばんは!bar 祇園359のAsanoです!

突然ですが、みなさん!日本の1番北の島って

ご存知ですか?

北海道本土の最北端、稚内からさらにフェリーで2時間

揺られた先にその島はあります。

島の名前は「礼文島」

すぐ下に利尻富士や利尻こんぶなどで有名な利尻島という島も

あるのですが、こちらのほうがよく耳にする方も多いかもしれませんね。

礼文島は別名「花の島」と言われ、海抜0mからエーデルワイス

などの高山植物が咲き、自然のとても豊かな島です。


私も以前その島で数ヶ月暮らしておりましたが、

うにや鮑など海の幸が豊富で

天気のいい日は海の向こうにロシアが見え、

海岸沿いからは肉眼であざらしを見ることもできたり、

夕暮れ時には町全体がオレンジ一色に染まり、

海沿いの道を車で走っていると、まるでオレンジの絨毯の上を

走っているかのような美しさでした。

ほんとにここは日本なのかと思ってしまいます。


しかし、その一方でよく言われていたのが、

人生に行き詰った人々が集まってくる場所でもあると。

人って、そんなときどこへ向かうのか?

やはり南というより北だという気がします。

「北」という漢字も左右の部が共に背を向けていることから

「逃げる」という意味合いもあるそうです。

あっ、別に当時の私はそんなつもりで行ったわけでは

ないので!あしからず! (^^;


バーテンダーとなった今、考えるとそのような場所にこそ

BARが必要ではないかと思うのです。

アメリカの古い言い伝えにこんな言葉があります。

「人が行き詰まり自ら自分の命を絶とうとするとき、

最後に話し相手に選ぶ人間は二人。

一人は牧師。そしてもうひとりがバーテンダー。」


懺悔をするか、はたまたBARで自分自身と静かに向き合うか。

もし、そんなお客様が来られたら、正直そんな面倒なお客様は御免だと

言いたいところですが、バーテンダーとして

自分のお出しする一杯で気持ちがかわるかもしれない。

何か気持ちをかえることのできる一言があるんじゃないか。

そう思わずにはいられません。


明るい話から一気に暗い話なってしまいましたが、

世の中には「陽」もあれば、「陰」もあります。

その狭間で時に自分を偽り、時に自分を誤魔化しながらも

精一杯生きている人々、そしてまた頑張ることに疲れた人々。

その方々の心を少しでも休めて頂くために

BARがあり、そしてそこにバーテンダーがいる。

オーバーかもしれませんが、そう思います。





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2010-06-12 Sat 21:53
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